「開発会社とフリーランス、どちらがよいか」というご相談をいただきます。
案件の性質によって答えが変わるので、判断軸を整理します。
それぞれの構造的な違い
| 大手SIer | 中小の開発会社 | フリーランス | |
|---|---|---|---|
| 費用 | 高い | 中 | 低い |
| 体制 | 分業(PM/設計/実装) | 少人数 | 1人 |
| 継続性 | 高い | 中 | 個人に依存 |
| 意思決定の速さ | 遅い | 速い | 最速 |
| 対応できる規模 | 大 | 中 | 小〜中 |
費用の差は能力差ではなく体制の差です。
分業体制はコミュニケーションのコストがかかりますが、
大規模開発ではその体制でないと回りません。
案件が向いている先
大手・中堅のSIerが向く
- 100人月を超える規模
- 官公庁・金融など、体制や実績の要件がある
- 24時間365日の運用保守が必要
- 発注側にも専任のPMがいる
中小の開発会社が向く
- 10〜50人月程度
- 業界特化の知見が欲しい
- 複数人での並行開発が必要
- 会社としての継続性が欲しい
フリーランスが向く
- 〜20人月程度
- 仕様が動く(探索的な開発)
- 意思決定を速くしたい
- 予算が限られている
- 特定分野の専門性が必要
フリーランスに頼むときのリスクと対処
正直に、リスクは存在します。対処法とセットで整理します。
1. 稼働できなくなるリスク
病気や事故で止まる可能性は、1人である以上ゼロにできません。
対処:
- ソースコードと設計情報を都度受け取る
- 一般的な技術構成で作ってもらう(他の人が引き継げる)
- 重要システムなら、保守を複数体制にできるか相談する
2. 品質のばらつき
会社と違い、レビュー体制が内部にありません。
対処:
- 過去の実績(実際に動いているもの)を見る
- テストコードを納品物に含めてもらう
- 小さく発注して、進め方を確認してから拡大する
3. 対応時間
1人なので、深夜・休日の即時対応は現実的でありません。
対処:
- 障害時の連絡手段と応答時間の目安を決めておく
- そもそも自動復旧する構成にしてもらう
規模を問わず確認すべきこと
会社かフリーランスかに関わらず、次は必ず確認します。
- 実際に動いているものを見せてもらう(資料ではなく本番サービス)
- 契約形態と著作権の扱い
- 納品物の範囲(ソースコードと手順書が含まれるか)
- 保守の条件
- NDA の締結
混合という選択肢
規模が中程度なら、次のような組み合わせも有効です。
基幹部分 → 開発会社(継続性を重視)
周辺ツール → フリーランス(速度と費用を重視)
すべてを1社に集約する必要はありません。
まとめ
- 費用差は能力差ではなく体制の差
- 規模と、仕様がどれだけ動くかで選ぶ
- フリーランスのリスクは対処法とセットで考える(コード納品・一般的な構成・自動復旧)
- どこに頼む場合も「動いているものを見る」「納品物の範囲を確認する」は共通