発注ガイド

Webシステムの保守費用は何に使われているのか — 相場と内訳の考え方

「保守費用は何に使われているのか分からない」というご相談をよくいただきます。
実際に行われている作業と、金額の決め方を整理します。

何もしなくても劣化する

システムは放置すると壊れます。理由は主に3つです。

1. 依存しているソフトウェアのサポート終了

言語やフレームワークには保守期限があります。期限を過ぎると、
脆弱性が見つかっても修正が提供されません。

2. 外部サービスの仕様変更

決済、地図、メール配信などの外部サービスは仕様を変えます。
対応しないと、ある日突然その機能が止まります。

3. 証明書やドメインの期限

SSL証明書は自動更新の設定を入れていても、
更新後の反映処理が失敗すると期限切れになります。

保守に含まれる作業

分類 内容 頻度
監視 稼働確認、エラー検知 常時
バックアップ 取得と、復元できるかの確認 日次 / 月次
更新 セキュリティパッチ、依存更新 月次
障害対応 停止時の復旧 発生時
軽微な修正 文言変更、表示崩れ 依頼時
改善提案 数値報告と提案 月次

バックアップは「取ること」より「戻せること」が重要です。
取得できていても復元したことが一度も無い、という状態は珍しくありません。

費用の考え方

保守費用は主に3つのプラン形態に分かれます。

ライト(月 数万円〜)
監視・バックアップ・障害対応まで。機能追加は別途。
更新頻度の低いサイト向け。

スタンダード(月 十数万円〜)
上記に加え、依存パッケージの更新と軽微な修正。
業務で使うシステム向け。

フル(月 数十万円〜)
上記に加え、月次の改善提案と機能開発の枠。
事業の中核システム向け。

判断の目安は、そのシステムが止まったときの損失です。
1日止まっても業務が回るなら、ライトで十分です。
止まると受注が止まるなら、それ相応の体制が要ります。

保守契約で確認すべきこと

  • 対応時間(平日日中か、24時間か)
  • 応答時間(連絡から着手までの目安)
  • 含まれる作業量(月何時間相当か)
  • 含まれない作業(新機能開発は通常含まれない)
  • サーバー費用が含まれるか(別請求のことが多い)

保守を付けない選択

保守契約が必須というわけではありません。
次の条件なら、都度対応でも成立します。

  • 社内に技術者がいる
  • 止まっても業務影響が小さい
  • 外部サービスとの連携が無い

ただしその場合も、サーバーのセキュリティ更新だけは誰かが行う必要があります
ここが抜けたまま数年経つと、後から直すのに新規開発と同等の費用がかかります。

まとめ

  • システムは放置すると劣化する(サポート終了・外部仕様変更・証明書)
  • 保守の中身は監視・バックアップ・更新・障害対応・軽微修正
  • プランは「止まったときの損失」で選ぶ
  • 対応時間・応答時間・含まれない作業を契約前に確認する
  • 保守を付けない場合も、セキュリティ更新の担当だけは決めておく